アパートメント開発において、事業収支は意思決定の核となる資料です。しかし、収支作成を「詳細な見積もりが出てから」と後回しにすると、候補地の買付判断、融資相談、社内稟議のタイミングを逃してしまいます。事業収支は、正確さよりもまず「意思決定できる粗さ」で作ることが重要です。
簡易収支(たたき台)の目的は、「この案件は進めるべきか、見送るべきか」を一次判断することです。完璧な数字を求めて時間をかけるのではなく、主要な前提条件を仮置きし、収支の骨格を作ります。その上で、「どこがボトルネックか」(賃料が厳しいのか、建築費が高いのか、金利負担が重いのか)を特定し、対策を講じるか、見送るかを判断します。
本記事では、見積もりや詳細設計が固まる前でも作れる「簡易収支」の作成手順を、ステップごとに解説します。必要な情報、計算方法、よくあるミス、チェックポイントを具体的に提示し、読者が自分の案件に当てはめて収支を作成できるようにします。
収支は「賃料×稼働 − 運営費 − 金利 − 予備費」で考える
事業収支の本質は、「入ってくるお金(収入)」から「出ていくお金(支出)」を引いた残り(キャッシュフロー)を把握することです。これを式にすると、以下のようになります。年間キャッシュフロー=(想定賃料×戸数×稼働率)−運営費−ローン返済額
この式の各要素が、収支のどこでブレやすいかを理解することが重要です。
想定賃料: 募集家賃がそのまま成約するとは限らず、フリーレントや広告料などの「見えにくい値引き」が存在します。また、築年数が経過すれば賃料は下落します。
稼働率: 新築時は満室でも、退去が発生すれば空室期間が生じます。通年で100%稼働を前提にすると、実際には90%〜95%になることが多く、収入が減少します。
運営費: 管理費、修繕費、原状回復費、固定資産税、保険料など、物件を運営するために必要な費用です。これらを見落とすと、収支が大幅に悪化します。
ローン返済額: 借入額、金利、返済期間によって決まります。金利が1%上昇するだけで、年間返済額が数十万円〜数百万円増加することがあります。
収支を作る際に重要なのは、「利回り」だけで判断しないことです。表面利回り(年間賃料収入÷総投資額)は、空室や運営費を考慮していません。実質利回り(NOI÷総投資額)や、ローン返済後のキャッシュフロー(CF)まで見ることで、真の収益性が見えてきます。
また、収支の目的は「成立/未成立」を判断するだけでなく、「何がボトルネックか」を特定することです。賃料が低いのか、建築費が高いのか、金利負担が重いのか、工期が長すぎるのか。ボトルネックが分かれば、対策(価格交渉、設計変更、融資条件の見直しなど)を打つことができます。
STEP0 収支の前提を固定する(ここを曖昧にしない)
収支を作る前に、まず前提条件を固定します。前提が毎回変わると、収支の比較ができず、判断がブレます。
最小限の前提(必須項目)
以下の前提条件を明確にします。
立地: 最寄り駅、駅距離(徒歩分数)、周辺の家賃相場、競合物件の供給状況。立地が変われば、想定賃料、稼働率、ターゲット層が変わります。
プランの仮置き: 戸数(何戸建てるか)、間取り(ワンルーム/1K、1LDK、2LDKなど)、延べ床面積、専有面積の方向性。この段階では詳細設計は不要ですが、「ワンルーム8戸、延床300㎡程度」といった大枠を決めます。
竣工時期(工期): 着工から竣工までの期間(例:12ヶ月)、竣工から満室までの期間(例:3ヶ月)。工期が長くなれば、その間の金利負担や機会損失が増えます。
運用方針: 長期保有するのか、築浅で売却するのか。長期保有であれば、修繕費や賃料下落を織り込む必要があります。売却前提であれば、売却時の想定価格(出口戦略)も考慮します。
これらの前提は、収支のすべての計算の基礎となります。途中で前提が変わる場合は、収支を作り直す必要があります。
注意点
前提条件は、スプレッドシートの「入力欄」として分離しておくことを推奨します。たとえば、「想定賃料」「戸数」「金利」などを1つのセルに入力すれば、他のセルが自動計算される仕組みにしておくと、前提を変更した際の感度分析(シミュレーション)が容易になります。
前提が曖昧なまま収支を作ると、後で「あの数字は何を前提にしていたか」が分からなくなり、収支が信頼性を失います。
STEP1 想定賃料を置く(標準・保守の2本立て)
収支の最初のステップは、想定賃料を設定することです。賃料は収入の源泉であり、ここが狂うと収支全体が崩れます。
入力(必要な情報):
対象地周辺の募集家賃を、間取り別、築年数別、駅距離別に調査します。不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME’S、at homeなど)で、同条件の物件を検索し、賃料のレンジ(上位/中央値/下位)を把握します。
計算/置き方:
募集家賃の中央値を「標準賃料」とし、そこから5%〜10%低い水準を「保守賃料」とします。たとえば、ワンルーム25㎡の募集相場が6.5万円〜7.5万円の範囲であれば、中央値は7.0万円、保守賃料は6.5万円〜6.7万円とします。
なぜ標準と保守の2本立てにするかというと、募集家賃がそのまま成約するとは限らないからです。入居者との交渉、フリーレント(一定期間の賃料無料)、広告料(AD)の上乗せなど、「見えにくい値引き」が存在します。また、競合物件の供給状況や、募集時期(繁忙期/閑散期)によって、実際の成約賃料は変動します。
注意点:
賃料は「新築プレミアム」が乗ることがありますが、その効果がいつまで続くかは地域差があります。供給過多のエリアでは、新築プレミアムが早期に剥落し、築浅物件との差がつかないケースもあります。保守的に見るなら、新築プレミアムは考慮せず、築浅物件の相場をベースに設定します。
また、賃料は築年数とともに下落します。長期保有を前提とする場合、5年後、10年後の賃料下落を織り込む必要があります。一般的に、築10年で新築時の90%〜95%程度に下落するケースが多いですが、これも地域差があります。
アウトプット:
間取り別の想定賃料表を作成します。
| 間取り | 専有面積(㎡) | 標準賃料(万円) | 保守賃料(万円) |
|---|---|---|---|
| ワンルーム | 25 | 7.0 | 6.5 |
| 1LDK | 40 | 9.0 | 8.5 |
| 2LDK | 55 | 11.0 | 10.5 |
この表を基に、次のステップで収入を計算します。
賃貸需要の詳細な調査方法については、以下の記事で解説しています。
関連記事:
賃貸需要の読み方:人口動態・駅距離・競合物件・家賃相場の調べ方
STEP2 稼働率(空室)と募集期間の前提を置く
次に、稼働率を設定します。稼働率は、「年間を通じて何%の部屋が入居している状態か」を示す指標です。
入力(必要な情報):
対象地周辺の競合物件の空室率、募集期間(空室発生から成約までの期間)を確認します。また、新築物件の場合、竣工から満室までの期間(立ち上がり期間)も考慮します。
計算/置き方:
通年の稼働率は、保守的に90%〜95%で設定します。つまり、年間で5%〜10%の空室が発生することを前提とします。たとえば、10戸の物件であれば、年間で0.5戸〜1戸分の空室が発生する計算です。
新築物件の場合、竣工直後は満室にならないことが多いため、竣工から満室までの期間を3ヶ月〜6ヶ月程度見込みます。この期間は、収入がゼロまたは部分的にしか入らないため、資金繰りに影響します。
注意点:
よくあるミス:常に満室前提で計算する
稼働率100%(常に満室)を前提にすると、実際には空室が発生するため、収入が計画を下回ります。特に、退去シーズン(3月〜4月)と閑散期(夏〜冬)では、募集期間が大きく異なります。
また、広告費やフリーレントも見落としがちです。入居者を募集する際、不動産仲介業者に広告料(AD)として賃料の1ヶ月分〜2ヶ月分を支払うことがあります。また、フリーレント(1ヶ月分の賃料無料)を提供することで、実質的な年間賃料収入は「月額賃料×11ヶ月分」となります。
アウトプット:
稼働率と募集期間の前提を明記します。
- 通年稼働率:95%(標準)、90%(保守)
- 竣工から満室までの期間:3ヶ月(標準)、6ヶ月(保守)
- 広告費・フリーレント:賃料1ヶ月分相当を年間収入から控除
STEP3 運営費(OPEX)を項目で漏れなく積む
運営費(Operating Expense, OPEX)は、物件を運営するために毎年発生する費用です。運営費を見落とすと、収支が大幅に悪化します。
最低限入れる項目
以下の項目を漏れなく計上します。
管理費: 管理会社に支払う費用。一般的に、賃料収入の3%〜5%程度です。自主管理の場合でも、管理業務の労力をコストとして認識します。
共用部光熱費: 共用廊下、階段、エントランスの照明、エレベーター(ある場合)の電気代など。月額数千円〜数万円程度ですが、年間で見ると無視できません。
清掃費: 共用部の清掃費用。週1回〜月2回の清掃で、月額1万円〜3万円程度が一般的です。
修繕費: 外壁塗装、防水工事、設備の交換など、大規模修繕に備えた費用。新築時は発生しませんが、築10年〜15年で大規模修繕が発生するため、年間で賃料収入の5%〜10%を積み立てる考え方が一般的です。
原状回復費: 退去時の室内クリーニング、壁紙・床の張り替え、設備の修理など。1戸あたり5万円〜15万円程度が目安ですが、入居期間や使用状況によって変動します。退去率を年間10%〜20%と仮定し、年間の原状回復費を見込みます。
募集関連費用: 広告料(AD)、仲介手数料、フリーレントなど。これらは「運営費」として計上するか、「収入の減少」として扱うか、どちらでも構いませんが、必ず織り込む必要があります。
固定資産税・都市計画税: 土地と建物の評価額に基づき、毎年課税されます。新築の場合、軽減措置があることもありますが、一般的には評価額の1.4%〜1.7%程度です。個別の評価額は自治体によって異なるため、正確な金額は固定資産税課に確認します。
保険料: 火災保険、地震保険など。年間数万円〜十数万円程度です。
その他: インターネット無料の費用、宅配BOXの保守費用、PM(プロパティマネジメント)費用など、物件の設備や管理方針によって追加される費用があります。
注意点
「運営費率で一括」だけにしない
「運営費は賃料収入の20%」といった形で一括計上することもありますが、これでは内訳が見えず、検証ができません。たとえば、修繕費が想定より高くなった場合、どの項目が増えたのかが分かりません。項目別に積み上げることで、収支の精度が上がります。
アウトプット:
運営費の一覧表を作成します。
| 項目 | 年間費用(標準・万円) | 年間費用(保守・万円) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 管理費 | 40 | 45 | 賃料収入の5% |
| 共用部光熱費 | 12 | 15 | 月額1万円〜1.2万円 |
| 清掃費 | 18 | 20 | 月額1.5万円 |
| 修繕費(積立) | 50 | 60 | 賃料収入の7% |
| 原状回復費 | 30 | 40 | 退去率15%、1戸10万円 |
| 固定資産税・都市計画税 | 60 | 60 | 評価額の1.5% |
| 保険料 | 10 | 10 | 火災保険 |
| 合計 | 220 | 250 |
この表をもとに、次のステップでNOIを計算します。
STEP4 収入−運営費=NOI(またはNOI相当)を出す
NOI(Net Operating Income、純営業収益)は、物件が生み出す「運営の稼ぐ力」を示す指標です。
計算方法:NOI=年間賃料収入×稼働率−運営費
たとえば、以下の前提で計算します。
- 年間賃料収入(満室時):800万円
- 稼働率:95%
- 運営費:220万円
年間実質賃料収入=800×0.95=760万円NOI=760−220=540万円
NOIは、ローン返済や税金を考慮する前の「物件そのものの収益力」を示します。NOIが高ければ、その物件は運営上の収益性が高いと言えます。
NOI利回り:
NOI利回りは、総投資額に対するNOIの割合です。NOI利回り=総投資額NOI×100
たとえば、総投資額が1億円であれば、NOI利回り=10,000540×100=5.4%
NOI利回りが高いほど、投資効率が良いと言えます。ただし、NOI利回りだけで判断するのではなく、ローン返済後のキャッシュフロー(CF)まで見る必要があります。
アウトプット:
NOIの計算結果を明記します。
- 標準ケース:NOI 540万円、NOI利回り 5.4%
- 保守ケース:NOI 470万円、NOI利回り 4.7%
ここまでが「物件の力」の把握です。次に、開発コストと融資条件を加えて、最終的なキャッシュフローを計算します。
STEP5 開発コスト(CAPEX)を概算する(ぶれる前提で)
開発コスト(Capital Expenditure, CAPEX)は、物件を完成させるまでに必要な初期投資です。見積もりが固まる前の段階では、概算で構いませんが、ぶれる前提で幅を持たせることが重要です。
主なコスト項目
以下の項目を計上します。
| 項目 | 概算金額(標準・万円) | 概算金額(保守・万円) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 土地取得費 | 3,000 | 3,000 | 土地価格 |
| 土地取得諸費用 | 150 | 150 | 仲介手数料、登記費用、印紙税など(土地価格の5%程度) |
| 設計費 | 200 | 220 | 建築費の3%〜5%程度 |
| 建築確認申請費用 | 30 | 30 | 確認申請手数料 |
| 各種負担金 | 50 | 100 | 上下水道、インフラ引き込み負担金 |
| 建築費 | 6,000 | 6,600 | 坪単価×延床面積(見積前は幅を持たせる) |
| 造成費・地盤改良費 | 200 | 500 | 高低差、擁壁、軟弱地盤の場合に発生 |
| 外構工事 | 150 | 180 | 駐車場、フェンス、植栽など |
| 付帯工事 | 100 | 120 | エアコン、照明、カーテンレールなど |
| 予備費 | 300 | 600 | 建築費の5%〜10%(想定外の追加工事に備える) |
| 合計 | 10,180 | 11,500 |
注意点
見積前は”幅”で置く
建築費は、構造(木造/軽量鉄骨/RC造)、設備水準、地域によって大きく変動します。見積もりが出るまでは、坪単価の相場(木造50万円〜70万円/坪、RC造70万円〜90万円/坪など)を参考に、概算で計算します。
追加工事が出やすい箇所
地盤改良、造成、擁壁のやり替え、インフラ引き込みは、調査が進むまで正確な金額が分かりません。これらの項目は、保守ケースで高めに見積もり、予備費も厚めに計上します。
アウトプット:
開発コストの総額を明記します。
- 標準ケース:総投資額 1億180万円
- 保守ケース:総投資額 1億1,500万円
STEP6 資金計画(借入)と金利感度を見る
開発コストが概算できたら、次に資金計画を立てます。
入力(必要な情報):
自己資金の金額、借入額、金利、返済期間を設定します。
たとえば、以下の前提で計算します。
- 総投資額:1億円
- 自己資金:2,000万円
- 借入額:8,000万円
- 金利:2.0%(固定)
- 返済期間:25年
計算/置き方:
年間返済額は、元利均等返済の場合、以下の式で計算します(詳細は金融機関の返済シミュレーターを使用)。年間返済額≈(1+金利)返済年数−1借入額×金利×(1+金利)返済年数
上記の前提では、年間返済額は約400万円程度となります(概算)。
キャッシュフロー(CF)の計算:年間キャッシュフロー=NOI−年間返済額
標準ケース(NOI 540万円)では、CF=540−400=140万円
保守ケース(NOI 470万円)では、CF=470−400=70万円
金利感度分析:
金利が1%上昇した場合(金利3.0%)、年間返済額は約450万円に増加します(概算)。この場合、
標準ケース:CF=540−450=90万円
保守ケース:CF=470−450=20万円
金利が1%上昇するだけで、キャッシュフローが大幅に減少することが分かります。
DSCR(Debt Service Coverage Ratio):
DSCRは、NOIがローン返済額の何倍あるかを示す指標で、金融機関が融資判断で重視します。DSCR=年間返済額NOI
標準ケースでは、DSCR=400540=1.35
DSCRが1.2以上あれば、融資が通りやすいとされています。保守ケースでもDSCRが1.0以上(NOI ≥ 返済額)であれば、最低限の返済能力があると判断されます。
アウトプット:
資金計画と感度分析の結果を明記します。
| ケース | NOI(万円) | 年間返済額(万円) | CF(万円) | DSCR |
|---|---|---|---|---|
| 標準(金利2.0%) | 540 | 400 | 140 | 1.35 |
| 保守(金利2.0%) | 470 | 400 | 70 | 1.18 |
| 標準(金利3.0%) | 540 | 450 | 90 | 1.20 |
| 保守(金利3.0%) | 470 | 450 | 20 | 1.04 |
STEP7 “成立判定”の見方(GO/NO-GOの基準を作る)
収支を作成したら、最後に「この案件を進めるべきか、見送るべきか」を判断します。
1つの数字で判断しない
利回りだけで判断するのではなく、以下の観点で総合的に評価します。
保守賃料でも回るか: 保守ケース(賃料-5%、稼働率90%)でも、キャッシュフローがプラスであれば、リスク耐性があると言えます。保守ケースでマイナスになる場合、賃料が計画より低くなった時点で赤字に転落します。
コストが上振れても耐えるか: 建築費が10%増加した場合、借入額が増え、返済負担が増えます。この場合でもキャッシュフローがプラスであれば、コスト増のリスクに耐えられます。
満室までの期間に耐えるか(資金繰り): 竣工から満室までの期間(3ヶ月〜6ヶ月)、収入が部分的にしか入らないため、その間のローン返済と運営費を自己資金で賄う必要があります。自己資金に余裕がない場合、資金繰りが厳しくなります。
どこがボトルネックか
収支が成立しない場合、または目標利回りに届かない場合、以下のどこがボトルネックかを特定します。
- 賃料が低い: 競合が多く、相場が想定より低い。対策:立地を見直す、ターゲットを変える、設備を充実させる。
- 建築費が高い: 設計が過剰、または施工業者の見積もりが高い。対策:設計を簡素化する、相見積もりを取る。
- 金利負担が重い: 借入比率が高い、または金利が高い。対策:自己資金を増やす、金利交渉をする。
- 工期が長い: 着工から竣工まで時間がかかり、金利負担や機会損失が増える。対策:工期を短縮できる工法を検討する。
ボトルネックが特定できれば、対策を講じるか、見送るかを判断できます。
収支テンプレ(コピペ用)
以下は、事業収支を作成するためのテンプレートです。Excel・スプレッドシートにコピーして、自分の案件に当てはめてください。
【図表】事業収支テンプレート(簡易版)
| 項目 | 標準ケース | 保守ケース | 備考 |
|---|---|---|---|
| 【前提条件】 | |||
| 戸数 | 10 | 10 | |
| 想定賃料(万円/戸) | 7.0 | 6.5 | |
| 稼働率(%) | 95 | 90 | |
| 竣工から満室までの期間(月) | 3 | 6 | |
| 【収入】 | |||
| 年間賃料収入(満室時・万円) | 840 | 780 | 賃料×戸数×12ヶ月 |
| 年間実質賃料収入(万円) | 798 | 702 | 満室時×稼働率 |
| 【運営費】 | |||
| 管理費(万円) | 40 | 35 | 賃料収入の5% |
| 共用部光熱費(万円) | 12 | 15 | |
| 清掃費(万円) | 18 | 20 | |
| 修繕費(積立・万円) | 50 | 60 | 賃料収入の7% |
| 原状回復費(万円) | 30 | 40 | 退去率15%、1戸10万円 |
| 固定資産税・都市計画税(万円) | 60 | 60 | 評価額の1.5% |
| 保険料(万円) | 10 | 10 | |
| 運営費合計(万円) | 220 | 240 | |
| 【NOI】 | 578 | 462 | 実質賃料収入−運営費 |
| 【開発コスト】 | |||
| 土地取得費(万円) | 3,000 | 3,000 | |
| 土地取得諸費用(万円) | 150 | 150 | |
| 設計費(万円) | 200 | 220 | |
| 建築費(万円) | 6,000 | 6,600 | |
| 造成費・地盤改良費(万円) | 200 | 500 | |
| 外構・付帯工事(万円) | 250 | 300 | |
| 予備費(万円) | 300 | 600 | |
| 総投資額(万円) | 10,100 | 11,370 | |
| 【資金計画】 | |||
| 自己資金(万円) | 2,000 | 2,000 | |
| 借入額(万円) | 8,100 | 9,370 | |
| 金利(%) | 2.0 | 2.0 | |
| 返済期間(年) | 25 | 25 | |
| 年間返済額(万円) | 410 | 475 | 概算 |
| 【キャッシュフロー】 | 168 | -13 | NOI−年間返済額 |
| 【指標】 | |||
| NOI利回り(%) | 5.7 | 4.1 | NOI÷総投資額 |
| DSCR | 1.41 | 0.97 | NOI÷年間返済額 |
このテンプレートを使用し、自分の案件の数字を入力することで、簡易収支を作成できます。
より精度の高い収支設計へ
ここで紹介したのは、一次判断用の簡易収支です。より精度を上げるためには、以下の作業が必要です。
- 建築会社から正式な見積もりを取得する
- 金融機関に融資相談し、正確な金利・返済条件を確認する
- 税理士に相談し、減価償却、所得税、法人税などの税務を織り込む
- 詳細な感度分析(賃料±10%、建築費±10%、金利±1%など)を実施する
- 長期修繕計画を作成し、築年数ごとの修繕費を精緻化する
- 出口戦略(売却時の想定価格、売却時期)を検討する
これらの詳細な収支設計、資金計画、感度分析の手法については、以下の記事で体系的に解説しています。
関連記事
事業収支・資金計画:家賃想定〜建築費〜融資までの作り方
簡易収支から詳細収支へのステップアップ、必要な資料の整理、融資審査のポイントなどを確認できます。
免責事項
本記事で紹介した事業収支の作成方法および数値例は、一般的な情報に基づくものです。賃料相場、建築費、金利、税金、運営費などは、地域、物件条件、時期、個別事情によって大きく変動します。
本記事の情報に基づいて作成した収支は、あくまで「予測」であり、将来の収益を保証するものではありません。実際の事業収支の作成にあたっては、建築士、税理士、金融機関、不動産鑑定士など、専門家の助言を得ることを強く推奨します。
また、税務(減価償却、所得税、法人税など)、法規制、融資条件については、個別性が高いため、必ず専門家にご確認ください。
本記事の情報に基づいて行った判断について、当社は一切の責任を負いかねます。
